嘉門達夫「言葉のチカラ!」レビュー

言葉のチカラ!

言葉のチカラ!

まるで鎌鼬のネタを彷彿させるタイトルですがw
シングルがなかなか借りれなかったのですが
アルバムはすんなり借りられました。


以下、感想を曲ごとに分けて書きます。

続・アニメ替え唄スーパーメドレー

主な感想はここに書きましたが
(「ターガーマスク」「ドカベン」「はじめてのチュウ
「おどるポンポコリン」「あしたのジョー」の感想は書き換えてあります)


なんでも先日のイベントで
「元の歌をわからないのがある」みたいな
発言をしていたらしくて
どうもモチベーションによって出来不出来が
はっきり出るというかハッタリが下手な人だなーと。


元々替え唄って、元歌の「ここがええ!」っていう
ポイントを知ってるからこそ
崩すポイントも判るわけで。


もし知らない歌で替え唄メドレー作るなら
元歌の音源を全部手に入れて
半年ぐらい聴き倒すぐらいしないと
ちゃんとしたネタが出来ないと思う。
(僕も今頃になって「これ使われたネタより
いいんちゃうか?」って思うような
ネタがいくつか出てきましたし)


何にせよ時間が無さすぎですな。
時間が有ればアレンジャーにダメ出しして
カラオケを作り直させる事も出来ますしね。

ンなアホな!2

ま、要するに物量作戦
(そんなでもないネタをやたら数を打つ事によって
成立させる作戦)ですな。


で、一つ気になるのが、どうも「サンプリングされた
声のツッコミがネタのタイミングとあってない」。
これ、もしかして「替え唄メドレー3」の
シングルに収録されてる「んなアホな!」の
カラオケをそのまま流用してるんじゃないか?
と思うんですけども。


それでクレジットを見てると「作」とだけ銘打ってあって
作曲、編曲者の名前(たぶん工藤隆さん)が載っていない。


これひょっとして無断使用か?
と疑りたくなってしまう、
不可解なクレジットでした。


でも、こういうネタをそれなりに聴かせてしまう
工藤さんのアレンジ能力は凄いと思います。
嘉門さんの全盛期を支えてきてくれた方ですからね。


結局、今回の問題は「オリジナルとよく似たカラオケを作り直せば
良かったのに」って思うんですが、そんな時間はなかったんでしょうね。

パンダだわ〜神田川

神田川」に合わせて一番は語呂合わせで
ひたすら動物の名前が登場するパターン。
二番が彼の洗濯のしかたに嘆く女の歌。
そしてリピート部分でまた一番のコンセプトに
戻るといった構成。


本来はフルコーラス動物ネタだったのですが
プロデューサーの「流石にこれで2コーラス半は
キツイだろうと言われ、こういう形になったんですが
それなら、いっそ「動物ネタ」はオール没にして
2番のコンセプトでフルコーラス作れば良かったのにって思います。
(個人的に2番の歌詞は結構面白かったですから。
ただ、最後それまでの内容と全く関係ないオチになってしまったのが残念ですが)


所でブックレットのクレジットの「脚色」の欄に
高野孝敏さんの名前があって「あーやっぱり」と思いました。
たぶん今回のは高野さんのヤンタン時代の代表作
「プレイバックPart2〜動物バージョン〜」を
神田川に流用したんだと
それで思うんですけど「プレイバックPart2」の方が
動物の出てくるタイミングとか種類とかが
バツグンだったんですけどねぇ。
どうせなら、そっちを収録して欲しかった。

新・あわんあわん

コーナー化は「爆裂スーパーファンタジー」以来。
それなりの期間があっただけ、結構いいネタが集ってました。
警察手帳や恵方巻きなんかは
結構時代を反映してた感じですし。


ただ、ギター1本で処理するコーナーじゃないよなぁ・・・。
どうせならナリ天ボーイズ呼んで
みんなで鳴り物鳴らしてにぎやかにやって欲しかった。
(地味にギロの音は聞こえてきますがw)

哀歌〜エレジー〜2007

「怒涛の達人」に収録されてるに比べると
ちょっとネタがストレートすぎる気がします。
もうちょっとひねったネタを採用して欲しかった。

新・どんなんやねん

これは元々こういうネタ番組向きのコーナーでしたからね。
むしろ今までネタ募集をしてなかったのが不思議な位。
投稿者もネタを考えやすかったみたいで
これも結構いいネタが集ってます。


ただ、これもナリ天ボーイズでやって欲しかったなぁ。

大人の階段登る時

あちこちで好評価のこの曲。
いや、確かに良い感じです。
テーマとネタ、曲、ファミギャンのアレンジ
いろんな要素がミックスして出来た
奇跡の作品だと思います。


アニメ替え唄じゃなくて、
こっちをシングルで出すぐらいの思い切りというか
客観性が嘉門さんやダイプロに欲しいなぁ。

新・さーて来週のアワビさんは

まぁ、要するにサザエさんの次回予告のパロディ。
これもコーナーとしてネタが作りやすかったのか
結構いいネタが揃ってますが
やっぱり、サザエさんの次回予告風のBGMが欲しいなぁ。
そういう所に凝って欲しいんですけどねぇ・・・。

新・ホラー

ホラー映画の予告編のパロディ。
こっちはBGM付きなのでいい感じで世界観が広がってるのですが
肝心なネタの方がイマイチ。


「笑撃王」の「映画の窓〜リターンズ〜」から
「若者言葉シリーズ」が定着してますが
どれもこれも着地点が同じになっちゃうんですよね。
「口当りはいい感じだが実は強烈な事言ってるよ」って感じの。
それは「ぶっちゃけ」で完結してる気がするんだけどなぁ。


そんな中「火を通せば大丈夫」だけが
ズバ抜けた完成度を誇ってます。
これは往年の名作「友達の友達」に匹敵する出来ですよ。


それでナリ天では他に同じおかんをテーマにした
「明日雪降るんとちゃうか?」がよく出来てたんで
あれを入れて欲しかった。

22才の元カレ〜22才の別れ

1番がタイトル通りの「22才の元カレ」が居た女の歌、
2番が耐震偽造、3番がフィギュアオタクの歌に
なってるんですが
なんか3つの曲の「起承転結」の「起」の部分だけを
集めた感じがして残念。
どれも、よく出来てたんでフルコーラス1本のテーマで作って欲しかったなぁ。


まぁ、「耐震偽造」はアニメ替え唄でネタ使っちゃったんで
「22才の元カレ」か「フィギュアオタク」のやつか。


それに例えば今回は「22才の元カレ」で作って、
次の機会に「フィギュアオタク」で作ったヤツを
発表するとか出来たのに
今回でこういう中途半端な形で発表しちゃうと
それ以降広がらないですからねぇ。

新・新・この中にひとり

前回よりもいいネタが揃ってます。
というより前回で収録せずに今回まで引っ張って
前回と今回の傑作ネタを集めたら
クオリティの高い作品になったのに。

言うだけ番長2007

なんで「言うだけ番長〜コスモス〜」の
カラオケ使わないんでしょうねぇ。
CDではあれに乗っけた方が格段に面白くなるのに。


あと、前にも書いた記憶があるんですが
オチはそのまま言ってしまわないで
ちょっとぼかして「考えオチ」みたいにした方が
いいと思うんだけどなぁ。
(たとえば「ささくれ」も
「パンダがエサを欲しがってる訳じゃねぇんだよ」
って言う風に持って行くとか)

夢ドリーム2

この歌は元々ライブでやってた時、今回のような
「ただ夢をひたすら歌う曲」で
最初にCDになった時にはネタが揃わなかったために
「夢と現実のギャップ」みたいな曲になったんですが
パート2にして、元のコンセプトに戻った感じですね。
いや、「夢・ドリーム1」は
中途半端にいい歌にしようとしていたのが
なんか鼻に付いたので、
僕は今回のコンセプトの方がいいと思います。
前のコンセプトだと「大人の階段登る時」と被ってますしね。

まどかちゃん

面白いネタなんですけどねぇ。
なんかバックのアルペジオ
それを潰しちゃってる感じですねぇ。


元々番組ではいつもの会話コーナーみたいな
会話があってギターでオトすパターンで
僕は基本的にこのパターンは嫌いなのですが
このコーナーに関してはそっちの方が良かったですね。
矢継ぎ早に繰り広げられる感じがして。


まどかちゃんの言い方ももっと
子供らしい無邪気な言い方だったのに
バックに合わせてなのか、
ちょっとゆっくりした喋り方になってますしね。

総評

前回「アホダラ王国物語」の時に比べ、
ネタの作りやすいコーナーが
多かったせいか、面白さはアップしていますが
なにせ「歌」がほとんど無い為に
聴き応えに欠けるというのか、
全体的に小粒な感じがするんですよね。


番組でやってた「小市民」や
マーフィーの法則」とか入れると
もうちょっと聴き応えあるものが出来そうだと思うし
コーナーものも番組と同じように
ギター一本で処理するんじゃなくて
もっとそれらしいBGMを付けるとかすれば
もっと内容全体にボリューム感が出ると思うんですけどね。
(実際「天賦の才能」や「怒涛の達人」は
そういうCDの作り方をしてましたし)


で、結局そういう「凝った事」をやろうとすると
時間がかかるんですよ。
でも、今回は凄い短期間で作ってましたからね。
ネタも番組で急遽募集して。


もうちょっと早い目に動いてれば良かったのに。
それこそ「アホダラ王国物語」が出た直後から
次のCD製作に向けて
動いてもいいハズなんですけど…
「アホダラ」が発売されて、次のアルバムのネタ募集まで
長い事、ナリ天に「死に回」がありましたからね。
(結局その時にやってた「スケールでかい」も「エマニエル」も
今回CDに入るような作品に昇華出来てないですからね。)


なので嘉門さん及びプロデューサーには
先、先を見越して行動して欲しいというのと
CD製作には時間をかけてほしいなと。
それこそアルバム完成まで1年ぐらいかかってもいいから
「完成度の高い聴き応えのある作品」を作り上げて欲しいですね。


あと、今の状態では完全に投稿者に
おんぶりだっこの状態なので
「ネタ募集」と平行して、嘉門さんが自分一人で
一本のストーリーになってる歌
しかも、テーマがバカバカしくて笑えるもの
(「哀愁の黒乳首」とか「三色パックの謎」みたいなの)
そういうのも作っていってほしいなと思います。