嘉門達夫「劇的な日常」

劇的な日常

劇的な日常

「図星でしょ☆」の次に出たアルバム。
嘉門さんの気まぐれか?それとも単なるネタ切れか?
以前カップリングに収録されたものの
アルバムには未収録だった曲の再録バージョンが
入っています。


前から評判の良かった曲なので
ファンの評判もが非常に良かったアルバムです。

1、でんでん虫

つかみのショートトラックが復活。
しかし、今までのようなしょーもないコントではなく
今回はビクター時代を彷彿させるナンセンスソング。
妙なテンションの高さが面白い。

2、替え唄メドレー2001

最初聞いた時は「替え唄メドレーに久々に傑作キタ!」と思ったのですが
改めて聞いてみると、まぁまぁですね^^;
この辺は流行歌の持ってる宿命かも知れません。


でも、前作の「替え唄メドレードラゴン」に比べると
だいぶ、歌詞の替え方に無理くりさが無くなった感じが。


なんとなく「ドラゴン」の方は嘉門さんが歌詞カードとにらめっこして
作った(もしくは選んだ)感じなのですが
今回のはちゃんと唄を聴いて、曲に合う歌詞をチョイスしたって感じがします。


たぶん、これは嘉門さん自身に、使用曲が耳馴染みあるかどうか?
っていう部分に大きく関わってると思われます。
実際この時期、比較的みんなが知ってる唄が流行りましたしね。

3、まちがってますよ!

ライブでギター1本で歌ってる様子がそのまま録音されていますが
このトラック、「ワッチャー&ひねりなさい」みたいに
本来は合いの手をサンプリングした声を入れる構造に
なってるっぽいんですよね。


ネタと合いの手を一人でやって様子が
非常に慌しく思えました。

4、ニュースショー1

古くは九十九一、最近では浅越ゴエがやってるニュース番組のパロディ。
浅越ゴエと比べると、多少弱い気もしますが
僕的には結構面白かったです。


ただ、大相撲の結果の時はBGMをそれっぽいものに
変えて欲しかった。

5、地獄の運動会(原曲:クシコスポスト

昔出したシングル「サザン替え唄大メドレー」のカップリング曲。
作詞クレジットに嘉門さんと僕の名前が連名で載っています。


あんまり、この曲について語っちゃうと手前味噌になっちゃうんですがw
でも、作詞欄を見てるといかにも僕と嘉門さんの共作のようですが
実は僕は「運動会でよく流れるクラシックの曲に乗せて
『運動会は憂鬱だ』みたいな曲ってどうでしょう?」
っていう案を出しただけで、詞に関してはほとんど嘉門さんが作りました。


僕のたったそれだけの提案であそこまでのモノを作り上げた
嘉門さんの才能は凄いと思うし、非常に感謝しています。


で、僕がやった中で唯一良かった点は
実は春ぐらいに、秋口を見越して案を送ったんですよ。
(この年は「マンスリーCDリリース計画」の年で
カップリング曲に時節ネタの唄を入れていた)


やっぱりそれなりのモノを作ろうと思ったら時間が要るんですよ。
その辺今、嘉門さんも新田さんも忘れてるんじゃないのかなー?
って思います。

6、スケジュール

これ面白い。だからこそ食い足りない気がして残念。

7、唄のワンダーランド21

DAIPRO-Xに移籍してからリリースしたアルバム内で
ほぼ半分を占めていた「唄のワンダーランド」という
短い唄や小噺の寄せ集めトラック。
(「ショートソング」やただの「ワンダーランド」と銘打たれた時もありますが)


しかし、その内容は数ばっかり多くて、中身はどうしょうもないのがほとんどで
正直アルバムのレベルを下げてしまう要因でもありました。


今回、ようやく1トラック、しかもライブ録音という事もあって
かなり数が厳選されています。
これだけでも、凄い進歩というか
嘉門さん、よく頑張って選んでくれたなと思いました。


でも、CDに収録して鑑賞に堪えうるのは
「希望の『希』」ぐらいですけどね。

8、修学旅行行進曲(原曲:トルコ行進曲

昔出した「ネコニャンニャンニャン(達夫・伸郎バージョン)の
カップリング曲。


「地獄の運動会」と並んでファンの評判のいい曲なのですが
いかんせん「京都、奈良に修学旅行に行く」という歌詞に
関西人である僕は感情移入出来ないんですよね。


「地獄の運動会」のように主人公がいて
それを追いかけるストーリーがあるわけでもなく
ひたすら「修学旅行あるある」を並べたネタですから。


しかも、何年か前この曲を大阪のライブで歌ってまして
お客さんが微妙な空気を醸し出してましたからね(苦笑)。
たぶんこの頃全国ツアーやってて、そのセットリストに
組み込まれてたんだと思うんですが
大阪公演だけ「地獄の運動会」に変えるとかすれば良かったのに。
そういう事はしない人なんですよね。

9、ニュースショー2

前回の「美学」もそうですが、2本立てになってるヤツの2本目が
ことごとく1に比べて落ちる。
良かったの「毛ガニ」の下りだけでしたからね。
それだけ1に回して、いっそ他は捨てるべきでしょう。
あと、中継現場に入った時はBGMを止めて欲しかった。

10、言うヤツおるやろ!

「ほっといてくれよ!」の簡易版。
ひたすら、ちょっとふざけて言う定番フレーズ
(「二度目まして」とかそういうの)
をひたすら「って言うヤツおるやろー」と
ツッコんで行く唄です。


一つの項目を掘り下げていく「ほっといてくれよ!」とは
また違った面白さがあります。

11、テレショップスペシャ

悪くないんですが、こういう掛け合いのコントを
嘉門さん一人でやると、どうしても不自然なんですよね。
ライブだと嘉門さんが上下(かみしも)に使い分けてるのが
目で見えるんですがCDじゃわからないですからね。


「コミュニケーション」や怒涛の達人の「会話」みたいに
二人の会話をステレオで上下に分けた方が
良いのではないかと。

12、パンツはどこへ消えた?

なんか、今回この曲だけ浮いてるんですよね。
こういう「女性の気持ちをテーマにした歌」は
今回は外して欲しかった。


他にアルバム収録されてない名曲いっぱいあるんで
そういうのを引っ張って欲しかった。
(時期的に「小市民(こどもの日バージョン)」とか)

13、名前負け

変なハモリが耳に付く曲。
本当は全編「名前負け」にしたかったんだけど
それが出来なくて意図変更してるっぽいですね。


最後の「その通り」は完全に「マーフィーの法則」だし。

14、怒りのグルーヴ〜おとぎ話編〜

シングル「怒りのグルーヴ〜震災編〜」のカップリング。
ライブでギター1本で歌ってる様子がそのまま録音されています。
でも、前回の「あるか?イヤない!」に比べるといささか迫力に欠ける。


僕はこのシリーズの最初のバージョンを
大阪城ホールのコンサートで聞いた時から思ってたんですが
「この曲はハードロックでアレンジしたら迫力が出るんじゃないか?」
って思うんですよね。
エレキギターとかドラムの音、ガンガンに流したら
凄い面白カッコイイ曲になると思うんですが。

15、毎日が文化祭

昔やったミュージカル「健康を損なう恐れがあります」の
エンディングで歌われた曲。


個人的には怒涛の達人に入ってる「コンサート」と並んで
嘉門さんの真面目な唄の双璧だと思います。
こういう、格好を付けない素直な気持ちを謳った唄って
素直に心を打ちますよね。

16、シークレットトラック

で、せっかくいい感じで終われたのに
今回も前回同様要らんオマケが入っています。
今回のアルバムは全体的に良かっただけに
本当にこれ要らなかったかった。やめて欲しかった。
なんでこういう事をするか僕には理解不能です。

総評

今回、改めてじっくり聞いてみると
実は唄モノの出来みたいなのに関しては
これまでとあんまり変わらないんですね。


でも、周りの人が名作と評価したり
実際このアルバムが、そういういい雰囲気を出してるのは
「唄のワンダーランド」を厳選したのと
あとは最後の「毎日が文化祭」の存在が大きいような気がします。


まぁ、いろいろ批判的な事も書いてきましたが
DAIPRO-Xでリリースしたアルバムの中では
オススメ出来る1枚です。
(僕が作詞した唄が入っているっていうのもあるんですがw)