芸人を見るときに何を重点に置くかのお話

おりたさんから再びトラックバックを貰ったのですが
これを見て僕が「今の大阪の若手にイマイチ心惹かれない理由」が
見えてきたような気がします。


僕は芸人見るときに「タレント性」というか
芸人として、もっというなら「芸能人」としての
ポテンシャルを重点に置いて見てるんだと思います。


例え面白い事を思いついても
漫才やコントの才能があったとしても
「それがお客さんに伝わらないと意味がない」と
思うんですよね。


おりたさんは「漫才やコントの才能は今の方が上」
とおしゃってますけど
どうもそれが僕の所に伝わってこないんですよ。
たまにテレビで彼らの漫才やコントを見ることがあっても
なんかどうもイマイチなんですわ。


まぁ、僕自身が10年前の大阪の若手のお笑いに
一番ハマってた頃に比べると
今の若手に対して凄い冷めた目で
見てるからだと思うんですけど
でも「好きな人、解ってる人」だけの
心を動かしても、それはプロの芸人として
意味がないように思えるんですよね。


僕とかオンバトの審査員とか
馴染みのないを人の心をも動かせて本物なんじゃないのかな?と。


とはいえ、僕はハマってた2丁目WACHACHAの芸人の多くが
それを出来てたのか?というと
全然そうじゃなかったんですけどね(苦笑)。
それきっかけで冷めちゃったというのもあるんですが。


だからこそ、当時の失敗した先輩達を
反面教師にして飛躍して欲しいんですけど
どうも同じ轍を踏んでる気がしてならないんですよね。


あと、お笑いファンの人って、芸人評価するとき
「発想力重視」になる事が多いんですが
かつて絶頂期のヤンタン火曜を聞いてた僕からすると
「面白い事を考えるだけなら素人でも出来る」
思うんですよ。


あの時の常連でハガキ読まれてた人の発想力って凄かったですからね。
たぶん、今の若手だと束になってかかっていっても
勝てないんじゃないか?と思うぐらい。
もちろん「面白い事を考える能力」だけで考えたらの話ですが。


でも、そんだけ面白い事を考えられる人がたくさん居た中で
芸人になった人って、「笑福亭とっさん」こと
ルート33堂土ただ一人なんですよ。
結局、面白い事を考える能力があっても
それを表現するチカラがなければ
プロの芸人になるのは無理なんですよね。
だから、僕らは嘉門達夫という「表現できる人」を使って
自分の考えた「面白い事」を表現してもらってたんですけどね。


だから、僕は芸人を見るときは
発想力よりも表現力重視で見ちゃうんですよね。
やっぱり、そこがプロと素人の違いというか
「面白い事を面白く表現出来る所」が芸人の凄い所、
尊敬出来る所だと思うんですよ。


で、結局「解ってる人の前でしか面白く振る舞えない」というのは
表現力が足りないというか
「解ってる人に補完してもらってるんじゃないの?」
って思うんです。


ただ、いつもいつも自分の前に解ってるお客さんが
居てる訳ではないんでねぇ、
その辺はそういう「解ってない人」を目の前にしても
しっかり笑いが取れるような器用さというか
心臓の強さを身につけて欲しいです。