第40回NHK上方漫才コンテスト

お笑いブロガー「昨日の風はどんなのだっけ?」の織田さんに誘われて
観覧に行って来ました。関西の賞レース系の本戦を観覧するのは
漫才アワード以来なので、わくわくしながらNHKに向かいました。
今回よりルールが「一回戦はA,Bブロック3組ずつに分かれ4分のネタを
勝戦は審査員審査でA,Bブロックから勝ちあがった二組が8分ネタをやる」
と言うもの。この決勝8分が今回最大の目玉にあり曲者で
決勝のメンツがどう8分ネタをやるのかを期待して見てましたが、はてさて。
ここから本戦メンバーのレビューです。
点数は100点満点で採点します。

  • Aブロック

ソーセージ/コント「穴があったら入りたい」

ソーセージよくある「藤本が山名にイヤな事を言いまくって追い詰める」
という流れの最後に大オチがあるというネタなのですが
ハッキリ言って「オチだけやん」ってネタでした。
まぁ、トップバッターになっちゃったんで
インパクトのある解りやすいのを選んだんでしょうけど。65点

ダイアン/漫才「暴走族」

導入部分が、特筆するべき点の無い「ちょっと前のダイアン」という感じのネタで
「吉本の若手はM-1ABCお笑い新人グランプリ以外ヤル気を見せない」と
噂されてる通りの事をダイアンも思っているのかと、ちょっとがっかりしたのですが
途中から「西澤が違う役をやりたがって、どんどん設定が変化する」という
かつてのデニッシュがやってた事をダイアン流にやってた感じだったんですが
これは一回戦の4分より決勝の8分つかってじっくりやった方がお客さんが
付いて行けたのですはないか?と感じました。


去年の敗者復活からダイアンの「新しい漫才への挑戦」は
僕は評価したい点ではあるんですが、何せこの世代の芸人の特徴である
「客観性の欠落」(まぁ、この辺は「敢えて」やってる部分もありますがそれも含め)
が上手く彼らを評価に上らせてない理由にもなってると思うと非常に残念です。
やっぱり「見る人が理解して」成立するものですからね、こういうのは。75点

モンスターエンジン/漫才「ヤンキーを注意」

僕は実は以前このネタ別の番組で見てて、凄く好きなネタだったので
このネタの導入部を見た時に「おっ!このネタを持って来てくれた!」
という喜びと、ちゃんとウケてるという喜びでいっぱいでした。
もちろんネタそのものも面白く見させて頂きましたが。


モンスターエンジンの漫才ってどのネタにも共通するのが
「要は西森って口やましいオッサン」なんですよね。
それを変に設定でひねらずストレートに持って来た。
そこに好感が持てました。お客さんはこれくらいストレートに
やらないとわからないというか、まずこういうネタがあって
それの応用編で「自転車の練習で子供がオッサン」とか「夫婦生活で奥さんがオッサン」
っていう展開にしないといけないのに、彼らはしょっぱなからひねりすぎだったんですよね。
今回をきっかけで「自分らをストレートに見せる」という方向に目覚めて欲しいです。90点

  • Bブロック

span!/漫才「怪盗スパン」

あーやっぱりspan!のような「動く漫才」というのは大舞台栄えしますね。
アワードのでウケたのも、そして逆にbaseでウケないのも解る。
なんとか今年のM-1は彼らを準決勝まで上げて欲しいです。
とにかく楽しくて面白い4分間でした。95点

銀シャリ/漫才「犬のおまわりさん」

僕は銀シャリって「橋本のツッコミが理屈っぽいのはええねんけど
鰻のボケまで理屈っぽいのはいかがなものか?」って毎回思うんですよね。
鰻がすごく「一生懸命台本やってます感」を出しすぎてる気がするんですよね。
こはちゃんと二人の個性を活かした台本を書くっていうのが第一目標かな?と。70点

ウーマンラッシュアワー/漫才「タイムスリップ」

バイトリーダーのようなパターンで、バイトリーダーとは全く違うネタを作ろうとして
上手くいかなかったって感じですかね?
いや、「未来人がわざわざしょうもない事を言う為にタイムスリップして来た」
っていう設定はいいんですけど、わざわざ早口でまくしたてる意味はあるのか?
って思うんですよね。やっぱりここはバイトリーダーを先やっとくべきやったんちゃうかな?と。65点


Aブロックからはモンスターエンジン、Bブロックから銀シャリが決勝に進みました。

モンスターエンジン/漫才「旅館の怪談」

このネタ4分バージョンを別の番組で見た事あるんですけど
そこまで大した事ないネタだった記憶があって
それを8分見せられると思ったら、ちょっとげんなりしましたね。
お客さんも完全に途中から飽きて来た感じでしたね。
僕は8分やるんなら、M-1での汚名返上も兼ねて
「ハリウッド映画」を8分やって欲しかった。
あれ8分ちゃんとネタの構成考えてやったら相当面白いネタになると思うんですけどね。

銀シャリ/漫才「ドレミの歌/ABCの歌」

銀シャリ勝負ネタの二本立て。銀シャリに関しては上で書いた事が毎回気になる僕でも
充分大爆笑出来る、そんな気合いの入れようでした。
8分をネタ2本で乗り切るというやり方は僕はモンエンといい比較になったのと
「まぁ、若手なんだし8分1本のネタをやってこなせる事も難しいから、いい作戦だったんじゃないか?」
という事で納得しました。

審査結果

銀シャリが優勝しました。
空気的に「どっちが取ってもおかしくない」という感じだったのと
銀シャリ初めてのタイトル獲得で、素直に祝福出来るしたい気持ちになった優勝でした。
銀シャリおめでとう!


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