おたく漫才「天津」その2

先日「天津」について書いた所、「昨日の風はどんなのだっけ?」さんで取り上げて頂きました。
関西が抱えてる「お笑い」の問題や、「おたく文化」の問題について
かなり詳しく分析してらしていて、大変為になりました。


まぁ、それで昨日のブログで「天津は昔のネタの方が好きだった」と書いたのですが
これについて、もう少し詳しく書こうと思います。
僕が天津のおたくネタで笑えない理由は、僕がおたくだからです。
今やってる天津のおたくネタって
「一般人目線から見た、向のおたく的な気持ち悪さを笑う」
というベクトルなんですよね。
それをおたくである僕が笑える訳がありません。
それで笑ってたら「どんだけ自分が見えてないねん」って話ですからね。


宅八郎が出てきた時もそうなんですけど、
こういう人がメディアでクローズアップされるのって
凄い見てて複雑な気分なんですよね。
「世間的に自分たちおたくはこんな風に見られてる」という
出来れば目を背けたい現実をまざまざと見せ付けられる訳ですから。
僕は宅八郎にしても向にしても、キャラというか芸風でやってるという部分が
あると思うんですけど、それでも見ててなんか引っかかる感じがするんですよね。


だから僕としてははりけ〜んずの方が好感触なんですよ。
外見は普通の兄ちゃんで、喋ると濃いおたくネタを繰り出すという
外はあっさり、中はこってりって感じで。
まぁ、この辺は天津が「アキバ系漫才師」として売れて
アキバ系の客さんばっかり集めてイベントやった時は
前みたいな背広来て、いわゆる昔やってた天津のスタイルで
中身は「ぱにぽに」やら「かしまし」のネタをやって欲しいという
願いを込めて「東京行って売れてくれ!」って書いた部分もあるんですよ。


あと、天津のおたくネタがイマイチと思う理由は
さっきと全く逆の事を書きますけど、
どうも「これぞザ・おたくネタ!」というネタが少ない気がするんですよね。
特に向がおたくキャラでなんらかの職に就くネタは
単に「変な言葉遣いの人」にしか見えないんですよ。
んで取って付けたようにおたく用語が出てくるってだけで。


もちろんマニアックになりすぎてもイカンけど
もうちょっとなんとかならんかなー?って思うんですよ。
オンバトでコンビニネタやった時ジャッジペーパーに
「オタクキャラをもっと生かしたボケが見たかったかな」って書かれてるのを見て
あーこの人するどい所突いて来るなーって思いましたから。


それで僕が今まで見たネタの中で良かったのは
「脳内でメイドさんを飼う」ってネタですね。
このネタは他のネタのような「取って付けた感」はないし
お客さんが「?」になるような固有名詞(プリティサミーとか)も出てこない、
それにおたくネタの時ってだいたい、向=ボケ、木村=ツッコミと
オーソドックス役割分担をしてるのに対し
このネタは向が木村を操作するという
ちょっと役割をひとひねりしてる所に、僕が好きだった頃の天津を感じるんです。
だから、こっちの方向性でもっとネタ作って欲しいなぁーって思います。


まぁ、なんじゃかんじゃ言っても一度決めた道なんで
思いっきり極めて欲しいです。
その為にもまずはHP作りを勉強して欲しいですね。