僕が天津の「脳内メイドゆみみ」を推すわけその2

その1はこちら


実はこの「脳内メイドゆみみ」には
プロトタイプになるネタがありまして
「脳内友達」というんですが
ファンの間ではこっちの方が評判がいいみたいなんですね。


ただ、僕はこの「脳内友達」には
いろいろマズイ点があるんですよね。


まず「脳内メイド」の方は向が木村を操るために
オイシイ条件を持って来て
これが後にトリッキーな展開に繋がるんですが
「脳内友達」の方は向が木村を脅すという
方向で行くんですよね。


これだと「脅すボケと脅されるツッコミ」
という構図は平行線のままで
トリッキーな展開に持ち込めないんですよ。
それ以前に、脅す下りでお客さん引くしね。


あと、中途半端に固有名詞を出しすぎ
このネタ、会話の要所に「プリティサミー」の
名前が出てくるんですが、結局最後までいじる事無く
名前を出しただけで終わるんですよね。


たぶん、演者側からしたら
「とりあえず魔女っ子好きのオタク」という
記号だけ感じ取ってくれればと思ってるんでしょうけど
お客さんからすれば結構気になるんですよね。
「何?プリティサミーって?」っていう感じで。


一度固有名詞出しちゃうと絶対掘り下げないといけないし
掘り下げるにはストリークの選手ネタとか
若井おさむアムロ一人コントみたいに
一般人のわかりやすいようなモノに変換して
なおかつ面白く料理しないとういけない、
でも、天津がやろうとしてる漫才は
そっちのベクトルじゃないので
そういう方向には行かない方がいいでしょうし。


となると、オタクキャラだけで
漠然と押す形になるんでしょうけど
僕はそれでいいと思うんですよ。
前も書きましたが、天津のオタクキャラは
トリッキーな漫才するためのモノなので
ぶっちゃけオタクキャラはハッタリでいいと思います。
(前と言ってる事180度変わりましたがw)


ただ、ハッタリをかますには
お客さんには絶対にハッタリだとバレてはいけない
という絶対条件があります。


でも前にオンバトでやった「寿司オタク」は
オタクじゃない人にもハッタリだという事がバレバレなんでねぇ。
あれはハッタリ失敗例ですw。


それで、あと僕が「脳内メイドゆみみ」を推すのは
「これを出発点にしてオタクネタを広げて行って欲しい」
って思ってたんですが、M-1の準決勝をこのネタで落ちて以降
やらなくなっちゃったんですよね。


たぶんM-1で落ちた理由はあくまで推測ですが
「オタク」「メイド」という時事ネタを扱ってる割には
風刺性があんまりないので
その点が審査員のお気に召さなかったんじゃないかと思うのです。


ただ、僕はこのネタはプロよりも一般ウケするネタなんじゃないかと。
いや、たぶん一般の人は今まで書いたような分析はしないでしょうけど
二人のやりとりの楽しさをそれとなく感じ取ってくれると思うんですよ。
(実際、NHK上方漫才大賞でそういうウケ方してましたし)
だから、一度お客さんが審査する
オンエアバトルとか、漫才アワード
この「脳内メイドゆみみ」をやって欲しいです。
絶対高得点稼げると思うんですけどね。