もし嘉門達夫のベスト盤を作るなら(一汁一菜絵日記帳編その1)

もし嘉門達夫のベスト盤を作るなら その1:ネット番長日記

僕の日記へのトラックバックと、僕の代表作と言える
「地獄の運動会」の動画を載せてくれた事の感謝を込めて
僕もこの企画に乗っかりたいと思います。


まずはコロムビア時代のアルバム「お調子者で行こう!」「日常」「小市民宣言」
そして最近出た嘉門達夫 ゴールデン☆ベスト -オールシングルス&爆笑セレクション1983〜1989-」
の4枚からチョイスして行きたいと思います。
(「エエトコドリ!」はベストアルバム、「小市民大全集」は
コンセプトミニアルバムなので今回は除外します。)

お調子者で行こう!(1985年6月12日)

・以下公式サイトより収録曲

1 業界人間ベム
2 涙のモデルはギザギザハート
   〜いかにも私はモデルです〜
3 天才でバカボン
4 トキメキのオバンチュール
5 お前らには負けへんで
6 アホが見るブタのケツ
7 私はバッテラ
8 ツッコミ ドレミファ・ドン
9 あったらコワイセレナーデ2
10 どう見ても山田君

代表曲は先行シングルの「アホが見るブタのケツ」と
そのB面「あったらコワイセレナーデ2」になると思うんですが
こういう一つの事をテーマして、いくつかそれに該当するネタを
並べていくという歌は、ネタによって「普遍的なもの」と
「時代に影響されてるもの」とあって
この二つが入り混じってる歌と言うのは
どうしても古いネタが悪い意味で古く感じてしまうので
個人的には以前日記で書いた「ファンから好きなネタの人気投票を募る」
というやり方がベストなのではないかと。


それに比べて一つの歌で一つのストーリーを描く歌は
普遍的でも時代を反映しててもそれはそれで一つの作品として
成立するんですよね。


それを踏まえて、僕が思うこのアルバム内で一番の作品は
「トキメキのオバンチュール」です。
詞、曲、アレンジとも凄くよく出来てるし
特に四字熟語4つで理想の男性を表すサビの部分は秀逸。
ワイルドワンズによるコーラス&アレンジも素晴らしい。


それに、この曲が発表されてからも
世の女性は多少年齢が高齢化したとは言え、
ずっと「結婚しないといけない」というのと
「結婚出来ない」という間に揺れ動くという現象は
ずっとあるんですよね。
それが時代によっては「結婚しないかもしれない症候群」とか
呼ばれたりするんですが、こういう歌をこの時期に完成させてた
嘉門さんってやっぱり凄いと思う。


ちなみに、このアルバムリリース後
「哀愁の黒乳首」というシングルを出して
見事不発に終わるんですが
それなら「トキメキのオバンチュール」を
シングルで出すべきだったかなぁ?と。
(B面は「哀愁の黒乳首」でw)


ノミネート曲:「トキメキのオバンチュール」

日常 〜COM'ON!超B級娯楽音楽〜(1986年2月21日)

・以下公式サイトより収録曲

1 ほっといてくれよ!
2 法事ブギ
3 生物・漢字フラメンコ
4 歯
5 人が仕事してるのに
6 街角
7 電光石火のスケベー
8 三食パックの謎
9 キャッシュ・カード
10 ユカイなモッコリ
11 シンキウソウホ
12 日常


代表曲は先行シングルの「ユカイなモッコリ
タイトルチューン曲「日常」
後に小市民のB面に収録された「ほっといてくれよ!」辺り。


しかし「ユカイなモッコリ」は名作の多いコロムビア時代の楽曲で珍しい駄作。
「日常」や「ほっといてくれよ!」は
前述の「アホが見るブタのケツ」「あったらコワイセレナーデ2」同様、
一つのテーマを元にネタを並べて歌うタイプなので
ベスト版には収録は見送りたい。


で、ファースト同様「一つのテーマを一曲で歌い上げてる曲」で選ぶなら
「電光石火のスケベー」「三色パックの謎」の2曲。


「電光石火のスケベー」は曲調やアレンジが非常にキャッチーで
僕は「ユカイなモッコリ」よりこっちをシングルで出すべきだったぐらいに思ってる曲です。
嘉門さんがまだ当時「非モテキャラ」だったのも
僕としては好感が持てるんですよね。
後に「女とええ恋愛をしろ」みたいな事を言ってきたりするんですがw


「三色パックの謎」は時代を描いた歌ではあるんですが
ここまで一曲として完成されてると
たぶん三色パックを知ってる知らん関わらず
聞く人の胸を打つんじゃないかな?
(実際僕この曲聴くまで「三色パック」知らなかったですし)


あとは最初にレコード化され、最初にして最高傑作になった
ショートソング「人が仕事をしてるのに」ですね。
もうこれは「聴いたら判る」って作品ですw


ノミネート曲:「人が仕事をしてるのに」「電光石火のスケベー」「三色パックの謎」

小市民宣言(1988年11月21日)

・以下公式サイトより収録曲

1 HERO
2 反抗期
3 ヘビメッタ失礼しました〜デビルズ・ファイヤー〜
4 感じるうた
5 目を閉じて
6 夢の話
7 視力検査
8 かっぱ
9 兄弟
10 素直になーれ
11 電話BOX
12 茶漬け
13 何を言うとんねん(ぜいたく言うな)
14 あなたイイ人ワルイ人
15 おまえがせー!ブルース
16 小市民2


ベスト「エエトコドリ!」、そしてヒット曲「小市民」を挟んでのサードアルバム。
しかも、サードアルバムがライブ版って
また、随分と冒険したなと思うのですがw


この中での代表曲は、もちろん「小市民2」になるわけですが
これライブver.を入れるか、シングルver.入れるか?で悩み所なんですよね。
ただライブver.入れちゃうとこの曲を必ずラストに持っていかないと
成立しないのでシングル版を入れるという事で今回は見送り。


この中で一番を選ぶなら「反抗期」ですかね?
いやこれも「アホが見るブタのケツ」「あったらコワイセレナーデ」のパターンなんですが、
「最初に大それた事を歌っておきながら、本編でそれを崩す」
というパターンが斬新なので(Gatiotakuさんは「新機軸」という言葉で表現してます)
それも考慮して、この曲は入れたいなと。


それと個人的には「電話BOX」を推したいなと。
この曲、ただの下ネタのようですけど
「不幸な境遇にあってしまった人間の心理描写」みたいなのが面白いなと。
MES'S5というグループが同コンセプトで「屁ぇこきましたね」
という歌を出してましたが、あっちはゆったりなリズムで
独特の空しさを表現してましたが
こっちはアップテンポで、この歌の主人公が
非常にあせってる様子が上手く表現されてるんですよね。


あとはgatiotakuさんもノミネートに挙げていた
「感じるうた」「素直になーれ」
ただ、このアルバム後半(「茶漬け」〜「お前がせー!ブルース」)が弱いんですよね。
「あなたイイ人ワルイ人」は僕もいい曲だとは思うんですけど
「ベストに入れるとなると、ちょっと弱い気がします。


ノミネート曲:「反抗期」「感じるうた」「素直になーれ」「電話BOX」

嘉門達夫 ゴールデン☆ベスト -オールシングルス&爆笑セレクション1983〜1989-(2005年1月25日)

・以下公式サイトより収録曲

1. 反抗期
2. ヤンキーの兄ちゃんのうた
3. アタシはばってら
4. ゆけ!ゆけ!川口浩!!
5. あったらコワイセレナーデ
6. アホが見るブタのケツ
7. あったらコワイセレナーデ2
8. 業界人間ベム
9. 哀愁の黒乳首
10. ペンション
11. 日常
12. ユカイなモッコリ
13. アホが見るブタのケツ・2
14. タンバでルンバ
15. ウシ
16. 小市民
17. ほっといてくれよ!
18. 小市民2
19. AWAN AWAN!!
20. 寿限無No.1
21. 真冬のロンリー・ビーチ


最近出たベストアルバムですが、まぁ、要は「アルバム未収録のシングル曲を取り上げる」
という意味でラインナップに入れました。
このラインナップでは1、5〜7、11、12、17が重複曲ですね。
やはり出世作となった「ヤンキーの兄ちゃんの歌」「ゆけ!ゆけ!川口浩」は
外せないですね。特に「ゆけ!ゆけ!川口浩」の完成度の高さは
今でもこれを越えるシングルは出てない(「替え唄メドレー」を入れても)
と僕は思っています。


あとは不発のシングルではありつつも
完成の高さはピカイチの「哀愁の黒乳首」
その両A面曲で初期の鉄板ネタ「ペンション」


個人的に「アホが見るブタのケツシリーズ」なら
「1」よりも「2」を推したい。


「タンバでルンバ」は「ゆけ!ゆけ!川口浩」ほどの毒が無いので除外。
代わりに、半実仮想ネタの傑作「ウシ」はゼヒ入れたい。


「小市民」は1,2ともテーマがテーマだけに
ネタに普遍的なモノが揃ってるので、今聞いても大丈夫。
「2」のB面「AWAN AWAN!!」も
ネタの内容とカッコイイロック調の曲が
意外にもマッチしてて面白い。


寿限無No.1」「真冬のロンリー・ビーチ」は資料的な意味しかないので除外。


ノミネート曲:「ヤンキーの兄ちゃんの歌」「ゆけ!ゆけ!川口浩
       「哀愁の黒乳首」「ペンション」「アホが見るブタのケツ2」
       「ウシ」「小市民」「小市民2」「AWAN AWAN!!」


とりあえず、今回はこの記事の元になった
gatiotakuさんの案とは少し違う方向で考えてみました。
第二弾はそのウチやるかもです。