第7回MBS新世代漫才アワード決勝戦レビュー

今回は招待を受けて、生で見る事が出来ました。
今回は生で見た感想と、後で録画したのを見た感想を
交えて書きたいと思います。
漫才のタイトルの後の( )は点数です。
自己採点は10点満点で評価しています。

  • 一回戦第一試合

イシバシハザマ/おかしな話・人命救助(334)

会場で見ると、準決勝のネタを温存してたのが
準決勝を見てなかった僕でもなんとなくわかる感じでした。


あとで録画した放送を見ると、テンポの良い漫才で前半面白かったのですが
後半、電車男時代のオタクネタや船場吉兆のネタなど
所々、時代遅れのネタが出てきて、そこからどんどん失速して行きましたね。
最後の長ゼリフは一応拍手は来ていたものの
お客さんの「空気を読んでの拍手」で実際評価されてた訳ではなく
その後の終わり方も「え?ここで終わり?」っていう感じで
消化不良感が否めなかった。7

ウーマンラッシュアワー/高校教師(666)

正直言って何が面白いのかさっぱり解らない。
ただ、口上を垂れてるだけ、しかも昔からの古典の「学校あるある」を
ちょっとひねっただけのものだし。


しかし、そんな僕の思いとは裏腹に会場はウケるウケる。
やっぱり女子高生はこういうのが面白いんでしょうか?
おじさんは付いて行けません。2


ウーマンラッシュアワーの勝ち。僕ならイシバシハザマに入れてました。

  • 一回戦第二試合

かまいたち/転校(321)

なんか、可も無く不可も無く、よくある大阪の若手漫才師のやる
学校あるあるですね。5

ソーセージ/虫(679)

単純にボケ一個一個が面白いですね。センスを感じます。
ただ、ツカミの感じとか「藤本店員上手っ!その調子!」の
やりとりとかが鼻に付きますね。8


準決勝のネタを素直に持って来たソーセージが勝ちました。
僕もソーセージに入れてましたね。

  • 一回戦第三試合

のろし/幼稚園の先生(581)

鈴木のイキリキャラ推しですが、鈴木のイキリキャラってちゃんと「ウザさ」や
「気持ち悪さ」をメインに据えてるから笑いになるんですよね。
また、鈴木って「一見男前っぽいけど、よく見たらキモイ」っていう
絶妙なビジュアルしてますし。キャラをわかってる芸人は強い。8

ストリーク/野球漫才(419)

会場で見たら良かったんだけど、改めてVで見るとなんとなく
数年前の矢野兵動みたいになってるなぁ。
安定はしすぎてて、何か物足りない感じ。7
あと吉本が噛みすぎw


のろしの勝ち。ストリークは生で見たら良かったけどVで見るとイマイチでした。

  • 一回戦第四試合

天竺鼠/タンパク質(480)

天竺鼠の漫才って5年ぐらい前からずっとこのネタばっかりやってますよねw
もう完全に一発ネタだし、こういうのが勝ち上がったって事は
それだけ決勝進出者候補が減って来てるって事なんでしょうね。
正直2次予選で13位から24位までの芸人って
これに負けたのかと思うと本当に情けないと思う。6

藤崎マーケット/犬(520)

ネタそのものはよくあるパターンですが
やはりここは漫才上手いですね。普通に面白かったです。
ただ、これだけ出来るコンビならもっと笑える台本を書いて欲しいと思うのですが。

藤崎マーケットの勝ち。僕もここでは藤崎に入れます。

  • 一回戦第五試合

ヒカリゴケ/野球の監督(315)

このネタもちょっと前からやってるヒカリゴケの代表作で
やはりおじさんが女子になるくだりは今回の客層にドンピシャですねw
ただ、最後の新興宗教のくだりはちょっと客層にあってなかったかな?
あと、このネタを見た時から思ったんだけど
最後自分らを「蛾」に例えるのはちょっとリアルじゃないですよね。
たぶん気持ち悪い事を表現したかったんだろうけど
宗教を信仰してる人って神様を崇拝している自分らを
もっと崇高なモノだと思ってるんだと思うんですよ。
そこで、引っかかるんですよね、このネタ。6

オジンオズボーン/部活紹介(685)

クラブをテーマにしたオーソドックスなネタですが、
テンポの良さで見せましたね。8


オジンオズボーンの勝ち。松竹の先輩後輩対決。
先輩が実力を見せ付けたという試合になりました。

  • 一回戦第五試合

スマイル/火事現場(414)

テンポもよくて楽しい漫才にパワーアップしたんですが
どうも、ウーイェイよしたかの毒舌キャラに慣れないというか
絶対キャラ設定間違ってると思うんですよね。
ウーイェイよしたかにはいい子であって欲しい。7

span!/怪盗スパン(586)

今回勢い、動き、テンポで見せる漫才が多かったですが
その中でもダントツでしたね。
二人のキャラにも無理が無いし
「怪盗」という設定もちょっとひねってあって良いです。9


span!の勝利。会場で見ると大差がないように思えたんですが
テレビで見ると結構差があったように思えます。
やはりキャラ設定がちゃんとわかってるコンビは強いですね。

  • 二回戦第一試合

ウーマンラッシュアワー/ジャニーズ(596)

思うんだけど、男前の人が男前なセリフ吐くのって別に笑いでもなんでもなくて
ただ、女の子に媚びを売ってるだけのようにしか見えないんだけどなぁ。
なんか女の子「萌え笑い」を誘発してるというか。
今年35になるオッサンにこのネタの良さを理解しろという方が
滅茶苦茶だと思う。3

ソーセージ/サファリパーク(431)

同じパターンでボケ一個一個が弱くなったという感じですね。
僕はABCお笑い新人グランプリの予選でやったトイレのネタをやって欲しかったんですが。
あれって自己紹介の部分が邪魔でそれを除けば、いいネタだと思うし
幸い2回戦だから、そのくだりを外すしかないですし。
ただ当の本人は「あそこが見せ場」とか思ってそうですが。3


ウーマンが勢いに乗って勝ちました。
まぁ、ソーセージはもうネタが無さそうでしたしね。
僕も迷った末にウーマンに入れる気がします。

  • 二回戦第二試合

のろし/イケメンカレー屋(330)

確か一年前か二年前の準決勝でやった「ビジュアル系ラーメン屋」の第二弾ですね。
ただ「ビジュアル系ラーメン屋」に比べると、部分部分のボケが弱い。6

藤崎マーケット/葬式(670)

会場の高校生は大爆笑だったみたいですが、僕の世代で葬式ネタと言えば
ジャリズムの「葬式DJ」が頭にあって、どうしてもそれと比べちゃうんですよね。
あの当時のジャリズムの発想力に比べたら、ボケがベタな上に
とっちからかりすぎなんですよね。6


藤崎が勝ちました。僕は葬式ネタはちょっと笑えない部分(不謹慎的な意味で)
もあったのでのろしに入れてたかな?

  • 二回戦第三試合

オジンオズボーン/CM(497)

面白かったんだけど、テーマがまるっきりアメザリのネタと一緒で
そこが気になってしまってしょうがありませんでした。
アメザリが解散したとか、引退したとかなら、先輩のネタを受け継ぐって
意味でやってもいいかもだけど、バリバリの現役ですからねぇ。 7

span!/ガソリンスタンド(503)

今回、この大会でやったspan!のネタの中では弱い方だと思うんですが
ダンスのくだりでお客さんを上手く乗せてましたね。
こういう勝ち方を嫌がる人も居ますが、僕は盛り上げたもの勝ちだと思います。7


span!の勝ち。これは迷うなぁ。会場の集計に時間かかってましたし。
まぁオジオズは上に書いた理由でspan!に入れたかな?

藤崎マーケット/出たい番組(248)

美川憲一のものまねをしてたら、本人の代わりに森進一が出てくる」
って何年前の漫才だよって思いましたw
二次予選のスーパーマラドーナギャロップにも感じたけど
新世代漫才アワード」というのタイトルの意味を
もうちょっとよく吟味して欲しい。5

span!/寝坊(382)

これは最後に「ストーリー性があって、オチがキレイに付く」
というネタを持って来た事が勝利に繋がりましたね。
この時に生で見ていて、漫才の世界に入り込んで見てたし
最後、水本がマコトの後ろに乗って登場したとき
「キタ━━━━(゜∀゜)━━━━ッ!!」って思いましたから。
こういうシナリオがちゃんとある漫才が出来るコンビって
最近少なくなって来たように思えます。9

ウーマンラッシュアワーアンパンマン(370)

同じようなイキリ推しですが、途中ちょっと
違うパターンのくだりを入れてしまって
そこで完全に勢いが止まってしまってましたね。


いや、これにはちゃんと理由があって
今回のネタって前回二つのネタと比べると
アンパンマンがイキる」って事でもう既に
設定がひねってあるんですよ。
だからそれ以上ひねる必要は無い。


しかも、そのひねった部分が
アンパンマンが黒い」っていうくだりで
「正義のヒーローが黒い」っていうのは
実は昔からある定番のボケで
フォーマットがひねってあるのに
アクセントとなる部分がベタっていうのは
ただ単に「弱い」と捉われるだけなんですよね。
そこが優勝出来なかった敗因なのではないかと。


僕も、村本の口上で初めて「面白い」と思っただけに
終盤のくだりは本当に残念でした。7


span!が優勝!!会場の空気は完全にspan!のモノだったので
やはりという感じでしたが、1位と2位と点数の差が
そんなになかったのが驚きでした。


span!の勝因は「会場を空気を掴むのが上手かった」
これに尽きるでしょうね。
正直第二回戦、決勝のネタは比較的古いネタの上に
各賞レースでそこまで結果を残せなかったネタなのですが
上手く盛り上げる要素があって
会場と一体化出来たのが良かったのでしょうね。
今回のようなオーディエンスシステムでは
そういう風に持って行けた人が勝利するのです。


また、ガソリンスタンドのネタで過去にあった
駄目な部分をばっさりカットしたり
寝坊のネタでも、最後のオチをキレイに仕上げたり
「実はお客さんが望んでるんだけど、
芸人がなかなか出来ない事」をちゃんとやってのける部分に
芸人という客商売として本来大切な「自分らを客観視出来る力」や
「サービス精神」をちゃんと持ち合わせていて
こういうコンビがちゃんと評価されたという結果を
本当に嬉しく思いました。


span!優勝おめでとう!