笑激!!よしもとライブ 「天津満漢全席」 (1/3)

今から5年前の天津単独ライブの模様をテレビで放送したものです。
動画アップロードサイトにうpされてたので
今更ですがレビューを書いて行こうと思います。

考えすぎ

大阪の若手によくありがちな
ボケの発想力主体のコント。
昔見たジャリズムの「びっくり屋さん」そっくりで
2丁目WACHACHAが好きだった向らしいコントなんですけど
ぶっちゃけ、前述のジャリズムの方が遥かにこの設定の消化が
上手いんですよね。完全にそれの劣化コピーを見てるよう。


でも、当時はこういうのが「向が天津の頭脳」として
評価されてたんですよねぇ。
でも、実はこういうスタイルの方がネタ作りは楽なんですよ。
お互いのキャラとか立ち位置気にせずに
発想の面白いボケを並列的に並べて行けばいいだけですから。


で、客層も「お笑いオタク」の若い女性が多いですから
「ベタなネタをキャラで見せる」よりも
こういう発想力勝負のネタの方が
「私はお笑いがわかってる」っていう気分になれるから
評判いいんですよ。
でも、正直そこまで大した発想力でもないですよね。
構成力にも難があるし。


というか、他のネタ見てもらったら解ると思うんですけど
この頃、向は「オタク芸人」として売り出し中でして
それだったら、妄想の中にどこぞのアニメで
聞いた事ある設定とか混ぜて欲しかったなぁ。
木村が地球連邦軍ジオン軍の戦いに巻き込まれるとか
ナメック星に行ってフリーザと戦うハメになるとかw

4コマ漫画を作ろう

まんがタイム大好きな向らしい企画。
実際まんがタイムにこういうコーナーありましたしね。
で、本編見てみたら木村のセリフ入れたverの方が面白くね?w


イキナリ殺し合いから始まって、オチがマリオブラザーズって
そっちの方がオタクっぽいがなとw
(木村ゲーマーですしね)
2本目も衝撃の展開ですし。


いや向のお手本漫画は、これはこれでザ・4コマ漫画というか
まんがタイムに載ってそうな4コマを見事に再現してる」
んですが、そんな凄さ誰もわからんぞとw


思い返してみれば最近の天津って、毒にも薬にもならないような
漫才ばっかりやってるじゃないですか。
あれって、もしかして向が「まんがタイムの世界」を
漫才で再現しようとしてるんじゃないか?
という説が僕の中で浮かび上がりまして
(夫婦という設定が多いのもそれっぽい)
もし、それが本当だったとしたら
「誰もわからないし、誰も楽しくない」と思うんですよね。


まんがタイムって主婦層が家事の合間に読む事が多いので
家事の妨げにならないように、でも飽きられないように
「面白過ぎず、面白く無さ過ぎず」な内容になってますし
それを漫才にされてもねぇ…って話でしょ?


だから、向って「オタク」じゃなくて
「マニア」なんじゃないか?と思うんですよね。
ベタに行かない(というか行けない)
みんなが行かない所ばっかり行ってしまう。
(だって「まんがタイム」の世界の再現とか
深夜の萌えアニメネタにするよりマニアックですよw)


だからオタクキャラも上手く行かなかったんじゃないか?と
思うんですよね。
ある芸人さんが「向はオタクじゃない。彼は喋ってても熱がない」
って言ってたんですけど、オタクって「作品があって自分がある」
のに比べてマニアって「自分があって作品がある」ので
どうしても、どこか冷めてるんですよね。


僕もどっちかというと「マニア寄り」なので
彼の気持ちは解るんですけど
それでは商売にならないよと。
「オタク」が本質なのと一緒で「マニア」も本質なので
たぶん直す事は不可能だと思うんですけど
せめて「自分が何者か」ぐらいは認知しとくべきだと思うんですよね。
そうじゃなければ動けませんから。


(2/3)に続く