M-1グランプリ2010

さて、毎年恒例になったM-1グランプリレビュー
本戦の前に、司会の今ちゃんからの情報で
前説がRGだったそうです。


去年のくまだまさしといい、凄くいいチョイスをしますよね。
同じ「お笑い」でも、これから出てくる「競技の漫才」を
する人とは真逆のベクトルの方ですもんね。
いやでも、僕は前説に選ばれた芸人は優勝者と
同じぐらいの価値があると思います。

カナリア/ドレミの歌ゲーム

準決勝見に行ってた人から「カナリアは決勝行けるレベルではなかった」
ような事を聞いてたので、正直そんなに期待してなかったんですけど
いや、かなりネタの完成度も高くて良かったです。
安達が変な歌歌うというのはカナリアの漫才によくあるパターンなのですが
いっつもね、なんか投げっぱなし的な感じが多かったのが
今回「ドレミの歌」を軸に上手くズラしていたなぁという印象。
あとボン溝黒も毎回「居るだけ」の位置だったのに
今回ちゃんとキャラが出てましたし、僕としてはかなり好印象です。 80点

ジャルジャル/コンビニの店員

まぁ、これ若手がよくやる「メタ漫才」なんだけど
「漫才のパロディ」とかどうのより、二人で「ま!」とか「だっ!」
とか言ってるのが面白いだけやんっていうw
僕はこれバカバカしくて好きだけど、変に考え込んじゃうと
楽しくないのかも知れない。 78点

敗者復活者発表

パンクブーブーでした。僕は訪問者のせいで敗者復活のネタを
見逃してたので、期待値大です。

スリムクラブ/カン違い

今までM-1で散々言われて来た「手数論」を根底からひっくり返す漫才でしたね。
いや、そういう漫才は珍しいモノでは無かったんですが
それをM-1の決勝の舞台でやるのが凄い。
今までそれがウリだったのに、M-1で手数増やして失敗したコンビ数多く居てたのに。
今回、カナリアジャルジャルと結構勢いやテンポで推すコンビが続いたのも
ラッキーだったのかも知れない。


あと真栄田の言葉のチョイスが斜め上行ってるよなぁ。
「大きな塔を建てる」は意外すぎてびっくりしましたw 90点 

銀シャリ/ABCの歌

なんかねぇ…橋本に細かいツッコミをさせる為に
ボケを作ったぽく見えてしまうんですよね。
この辺をもうちょっと自然に見せれるようになれば
お笑いファン以外の評価も上がると思うんですけどね。75点

ナイツ/今年の出来事

なんか回を追うごとに悪くなって行ってない?
なんか「M-1対策をして来た」のような事を毎回言う割には
そこまで変わってないように思えるんですよね。77点

笑い飯サンタウロス

いやぁ、今年こそどうなるかと思ってましたが
ちゃんと「鳥人パート2」を作って来る所が凄い。
ファーストインプレッションこそ弱いものの
細かい部分のディテールとかは、むしろこっちの方が
精密になってますよね。特にグロい所とかw
というか、ゴールデンでこんだけ下ネタ、グロネタ
をやって笑わせる事が出来るのって「笑い飯」という
キャラあっての事でしょうね。88点

ハライチ/将来なりたいもの

澤部はいつもの感じで良かったんですけど、岩井がテンポ崩してたなぁ。
彼はマイペースでいなきゃいけないんですけどね。
手数論に振り回された感じが。82点

ピース/発音

また、古いネタだなぁ。なんかこういうのを決勝に上げちゃうから
「ピースゴリ推し」って思われちゃうんですよねぇ。
正直、これ決勝に行っていいレベルのネタじゃないと思うんですよね。73点

パンクブーブー/事件に巻き込まれた

パンクブーブーって去年やったのはコント漫才ですよね?
今回はしゃべくり漫才にスタイル変えて、しかもちゃんと面白いネタを
作って来たのは素晴らしい。ここストレートインでも良かったんじゃないかなぁと
やっぱりこれを見ると思いますねぇ。85点

最終決戦

一回戦の順位は以下の通り

第1位 笑い飯(668)
第2位 パンクブーブー(668)
第3位 スリムクラブ(644)

第4位 ピース(629)
第5位 銀シャリ(627)
第6位 ナイツ(626)
第7位 ハライチ(620)
第8位 ジャルジャル(606)
第9位 カナリア(592)


笑い飯パンクブーブースリムクラブの三組が最終決戦に駒を進めました。


そして、ネタ順をくじ引きで決めるんですけど
パンクブーブー笑い飯スリムクラブより後の順番取っちゃって
「おいおい、キミらあの空気に振り回されるぞ」と
思って見てましたがどうなりますから。

スリムクラブ/葬式

去年の敗者復活のネタの改変版なんですけど、
このネタが本戦でここまでウケるっていう事に凄く感動しました。
「なんとかならんかねぇ」のくだりは去年もほぼ同じ事やったんですけど
今年の状況がさらなる笑いを生みましたね。
松本人志が以前どっかのインタビューで言った
「頭のおかしいオッサンなんやけど、凄い的を得た事を急に言って来る」
っていうまさに、それですよねぇ。いやぁ、いろいろ凄いモンを見ましたw

笑い飯/小銭の神様

鳥人」ぽい導入でしたけど、これはどっちかと言うと
「ガムの妖精」に近いネタでしたよね。
単純に弱かったかな?と。

パンクブーブー/腹立つ事

あーなるほどねぇ。うーん…
たぶん一回戦はネタそのものの面白さというより
「僕らこんな新しい手法考えて来ました」って見せ方だったから
それと同じ事やったら、ちょっとウケないよね。
手の内見えちゃってる訳だから。

とは言え、ここで別の事をすれば…という事も
ちょっと言えないよねーって言うのも思います。難しい。

優勝者決定

笑い飯4、スリムクラブ3で笑い飯が優勝しました!!
まぁ、今までのM-1の事を考えると「納得できない」という
感情は起こらなかったですね。
毎回、M-1で優勝を飾るのは「新しい風を持ち込んだ人」より
「正統派」が勝ち残る訳ですから。
2003年のフット、2005年のブラマヨと自分らを負かして来た芸人のポジションに
今、笑い飯がなって、今度自分らのポジションに新たにスリムクラブが入ったって事ですよね。


あと、笑い飯が今年優勝出来たのは、僕は「いちびらなくなった」事だと思うんですよね。
笑い飯って最終決戦に残った時、必ず「いちびる」ネタをするんですよ。
「だっしめーん!」も「ハッピーバースディ」も「チンポジ」も
全部「いちびり」のネタなんですよね。
恐らく笑い飯が「俺らはいちびるのが一番面白いんだ!」と思って
これまで、そういう漫才をして優勝を逃して来たんですけど
流石に去年の「チンポジ」で堪えたのか、今年は2本とも「いちびる」事無く
真正面から笑いを取りに来ましたね。
笑い飯も10年経って大人になったって事ですよね。
そういう「笑い飯」の9年の変化が見れた大会でもあったんじゃないかな?
笑い飯の優勝で感じました。
笑い飯、最後の最後にホンマおめでとう!!


さて、今年でM−1終了ですが、これからどうするんでしょうねぇ。
なんか新しい大会みたいなのが出来たらいいんですけどね。はてさて。

笑い飯全一冊 ( ヨシモトブックス ) (geinin zen issatsu series)

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