嘉門達夫「お前はまちがっとる!」

お前はまちがっとる!

お前はまちがっとる!

「アホダラ王国物語」を聞いてたら
聞きたくなったので借りてきました。


以下、各トラックのレビューです。

1、未発表曲

こういうちょっと長いコントを収録する時は
二人の会話をステレオで上下に分けて欲しいとか
カセットのボタンを押す音を声で言うんじゃなくて
ちゃんとSEを入れて欲しいとか
テープから流れる嘉門さんの歌を
それらしい加工をして欲しいとか
いろいろ不満はあるんですが一番マズイと思ったのは、
ここで「未発表のままにしといた方がいい曲」が
正規のトラックで収録されてる曲と
あんまりレベルが変わらない事でしょうね。

2、誰がそこまでガンバレ!言うた

軽快なメロディラインとアコースティックなアレンジで
楽しく聞けるナンバーですが、いかんせん長い!
6コーラスもいらんやろ!

4番と5番はぶっちゃけ微妙なのでカットしても良かったのでは?

3、どないやねん

童謡「森へいきましょう」の替え唄。
ネタはまぁ古典が多いですが、馴染みのあるメロディと
パーカッションの音で楽しく聞けてしまう佳曲。

4、ワンダーランド1

「なぞなぞ」
「悩み相談」
「流行色」

なんか、こういう中学生でも思いつきそうなネタを
臆面もなくCDに入れてしまう嘉門さんに
不安を感じずにはいられないのですが。


「秘伝のタレ」
フリが長い割には、オチが弱いというかわかりにくい。
という欠点はあるものの、これの前後のコントに比べると
まぁ、まだ嘉門達夫の色みたいなのを感じれるかなー?と。


余談ですが、このアルバムに収録されてる「それはまるで」が
後にシングルカットされ、そのカップリングに「拉麺道」という
ゲームのタイアップ曲が収録されているのですが
それをメインシングルにして、この曲をカップリングにしたら
面白かったんじゃないかとw


「くわえてしゃぶって何でしょう?」
こういう下ネタは止めましょうよw


「貼り紙」
面白いんですが、最初の「赤ちゃんが運転しています」の後に
「え!?」とかリアクションが欲しかった。


「ターミネ−ター」
ターミネーター2」

まず、今回のアルバムからは完全に浮いちゃってるし
一回に2つもいらないし、入れるにしても
別トラックにすべきなのではないか?と
ツッコミの言葉がいくつも思い浮かびました。

5、それはまるで

このアルバムの最高傑作。
「この手があったか!」というまさに
コロンブスの卵的発想です。
しかも、ネタがベタであればあるほど面白いという
敢えてなのか、全力でそうなのかは解りませんが
ベタネタしかやろうとしない
今の嘉門さんにピッタリの歌です。


だからといってシングルカットして売れるとは思えませんけど(苦笑)

6、ええ奴やんか

「今まであんなに憎んでた奴が、自分に有益な言葉を一言言っただけで
ガラっと心変わりをしてしまうという、主人公の現金さ」を描いた歌
なのですが、コンセプトが途中でウロウロしちゃってるというか
2番と4番で「ホンマにええ奴」を取り上げてしまい
全然笑いに繋がらないという結果を生み出してしまいました。
せめて、2番と3番が逆だったら、まだアリだったかなぁ…。

7、ワンダーランド2

起立!礼!着席!
僕はこういう絵が浮かぶネタは好きです。
ただ、最後の寿司屋のはちょっと違うかなー?
後に登場する「南の国の寿司屋」ともちょっと被るし。


「作戦」
古典だなぁ。たぶんM-1一回戦に出てくる素人コンビがやるようなネタですよ、これ。


「南の国の寿司屋」
これ、わざわざコントにしなくてもあったらコワイでやれば
良かったんじゃないでしょうか?


「独り言〜魚編〜」
これライブで嘉門さんが口に釣り針に見立てて
人指し指で引っ張りながら言うと面白いんですが
それが見れないCDではイマイチ。


「やりたい放題」
今回収録されたショートソングの中でも珠玉の出来なんですが
他のとまとめて収録しちゃってるために埋もれてしまってるんですよねぇ。
だから僕は「ショートソングはアルバム『バルセロナ』のような形式で収録すべき」
と思ってるんですよ。


「和解シリーズ」
ヤン火の「あったらコワイ」で流行った「和解シリーズ」
たぶん、今まで「CDに収録したいけど上手く形にならなくて
結局そのまま入れてしまった」って感じでしょうね。


でも、これはラジオだから面白かったというパターンで
無理にCDに入れる事はなかったんじゃないでしょうかね?


「ターミネ−ター3」
ターミネーター4」

前と一緒なので割愛しますw

8、あったらコワイセレナーデ〜リターンズ〜

アレンジが「世にも奇妙な物語」っぽくなってて
非常に期待して聞いたのですが、ちょっと内容が肩透かしでした。


いや「爆裂スーパーファンタジー」でもっと面白いネタ
いっぱい来てたと思うんですけど、
なんか古いヤンタンのネタとか入ってるし
中には「哀歌〜エレジー〜」でやったネタの使いまわしとかあるし。


2番も最初普通ので始まって途中で「喘ぐシリーズ」になったりと
なんか凄い中途半端な出来になってしまってますねぇ。
7年ぶりの「あったらコワイセレナーデ」だったんで期待してたんですが…。

9、開いた口がふさがらん子ちゃん

嘉門さんの「ふさがらん子ちやああああん」っていう
ねちっこい歌い方とか、フーリューズのコーラスとか
本編以外の部分でめちゃめちゃオモロイ歌なんですが
肝心のコンセプトがなんか固まっていない感じ。


4番に出てくる「大丈夫、ちゃんとゴムつけてるから」っていう
「事の重大さがよくわかってない女」をテーマにすれば
面白い曲になったんじゃないでしょうか?
タイトルにもぴったり当てはまりますし。

10、ワンダーランド3

ノストラダムスの大予言
…意味がわからん。「天津飯」が何かにかかってるのか?


「ウチのおばあちゃん」
ネタは古典ですが、メロディラインとあいまって
非常にほのぼのとしたいい雰囲気を醸し出してる曲です。
「家族旅行」に近い感じ?


「ウチのおじいちゃん」
オーマイガー!!」の「日記」でやったら良さそうなネタ。


「行事」
「救助隊」

着信音のSE入れたり、声を別録りで入れたりとちょっと凝った所が伺えるのですが
まぁ、真剣な場面でしょーもない事に気が行ってしまうというのは
昔からあるパターンですね。アイテムが携帯になっただけで。


「この中にひとり その1」
「爆裂スーパーファンタジー」で採用されたネタの総集編といった感じ。
ただ、この頃ってヤンタンで初めてやった時の様な新鮮味もなければ
今の「小説家」や「別れた妻」のようなひねりネタもない
ちょっと谷間の時期なんですよね。


「大きくなったら何になるの?」
これはあと2、3個(アイドルとか野球選手とか)パターンがあれば
良かったと思います。


ターミネーター5」
ターミネーター6」
ターミネーター7」

3つに増えとるやないか!w

11、ババシャツ

タイトルとか、最初3つぐらいのネタを聞いて
「女性のぼやきを謳った歌」なのかな?って思ったら
途中からコンセプトがぐちゃぐちゃになって
結局何をやりたかったのか、よくわからない歌になってます。

12、クセついちゃってさ

ネタはさほどでもないのですが、曲とアレンジで
いい感じに聞ける曲

13、ワンダーランド4

「ユンピョウ」
これも「爆裂」でもっと面白いネタあったハズなんですが
それを一切採用せずに、なんか全部新ネタになってますねぇ。
しかも、全部ハズレだし。


「どんなんやねんスペシャル」
「壺」から続いてるシリーズですが、今回はハズレかなぁ…。
「あったらコワイ」のネタを無理矢理こっちに持って来てるのも多いし。
「抜き打ちで停車する新幹線」や「闘牛場のアリーナ席」は
タイトルだけでオチちゃってるから、解説要らないんですよねぇ。


「この中にひとり その2」
わざわざ、二つに分ける事もないでしょうにw


「確かに」
うわー…これはキッツイなー…
なんで誰も止めなかったんだろう。


「達夫嘉門のすべらない話」
いわゆる実話ネタ。それでこういうタイトルを付けてみました。
まーわざわざCDに入れてファンや一般ユーザーに聞かせる程のネタでもなかったですね。


っていうか、このトラック全部ハズレやん!

14、言うだけ番長スーパー

今「ナリ天」でも好評のシリーズですが
どうしても、このシリーズの面白さがわからない。
っていうか単なるオヤジギャグだと思うんですけど。


あ、でも「ウエットティッシュ」は面白かったかな?
光景が想像できて。

15、スッキリせんのです

これも「クセついちゃってさ」同様
詞は大した事ないのですが、メロディ、アレンジが良さげな曲。


あと3番でちょっと「スッキリしない」の意味が変わっちゃてるので
そこは統一して欲しかったです。

16、ワンダーランド5

「お前はまちがっとる!」
せっかくのタイトルチューン曲をこんな風にまとめて入れるなよー。
曲の感想はなんか妙な勢いがあって好きです。


「虫の声」
なんで、ここに来て替え唄?


「おじいちゃんのコーナー」
「爆裂」で募集して、ライブでずっとやって来た
まさに近年の傑作選という感じで
コーナーもので唯一素晴らしい出来になっています。
他(「ユンピョウ」や「この中にひとり」)全部カットして
これだけ収録でも良かったと思います。


ただ、最後になんかしょーもないネタを追加してるのがなぁ。
あれなくして、「銀のエンジェル」トリに持って来て
「落石注意」と「鼻かみたい」の間になにか他のネタを持って来て欲しかった。

17、アホが見るブタのケツ〜エクストラ〜

うーん、苦しい…。どう聞いても弾数が足りてない。
元々「学校あるある」の歌なんですが、フリを「どこの世界にも」に変えて
「残り少ないビール注ぐとき」とか「古い歯ブラシで洗面所を掃除する」とか
いうネタを入れて埋めてる状態ですし。


一応「爆裂」で「おるおる」っていうコーナーをやってたんですが
そこに来たネタは「小市民〜子供の日バージョン〜」で
全部使い切っちゃったんですよね。
でも、その曲はアルバム未収録だから
いっそネタを使いまわしにしても良かったんじゃないか?
って思うんですけどね。

18、旅立つ人へ

嘉門さんの真面目な曲って「コンサート」と「毎日が文化祭」が双璧で
あと、どれもどっこいどっこいなんですよね。
特に「嘉門さんならでは」っていうのもないし。
この曲もご多分にもれずといった感じ。


あと、最後オマケですが
こういうアピールはさぶいから止めたほうがいいと思います。


全体的な感想は
「もうちょっとネタを詰める時間と
本当にダメなのは切り捨てる勇気があれば
面白いアルバムになったのに」
と思ってしまう
少し残念なアルバムでした。